September 28, 2022

"TWO IRON MAN -鉄⼈の⼆⼈展-" 新⽊友⾏と寺尾勝広による展⽰を2022年10⽉8⽇(⼟)から開催

この度、アートプロジェクト集団 WATOWA GALLERYは、2022年10⽉8⽇(⼟)より WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO (東京都台東区今⼾1丁⽬2-10 3F)にて新⽊友⾏と寺尾勝広による"TWO IRON MAN -鉄⼈の⼆⼈展-"を開催いたします。

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新⽊友⾏と寺尾勝広の芸術性は異なるものである。新⽊はアスリートたちを描く。「ぶつかり合う瞬間を⾒たときの気持ちを⾔葉ではなく作品にしたい」という彼は、アスリートたちをデフォルメし動きを丁寧に捉える。濃密な⾊彩とコミカルさ、そして躍動感はバイタリティにあふれ、エネルギッシュさを持つ。⼀⽅で、寺尾は鉄⼯所で溶接⼯として働いていたことを背景に、「図⾯」と呼ばれるドローイングを⽣み出す。彼の作品、鉄⾻図⾯は重厚さだけでなく、緻密で焦点を持たず、繊細さをも兼ね備える。⼆⼈に共通するものと⾔えば、新⽊であればアスリート、寺尾であれば鉄といったモチーフを固定化し、それだけを追求するという制作の姿勢を貫いていることだ。

新⽊友⾏と寺尾勝広の作品は、ときに「美術」としての⾔葉では語られないことがある。それは彼らに障がいがあることに関係する。20世紀初頭ヨーロッパで⾒出された「アール・ブリュット」は伝統的な美術の外部の作品を指すものであったが、今⽇の⽇本では「障がいのある⼈のアート」という誤った認識がついている。本来の原義から離れた名称でカテゴライズされるが故に、障がいのある⼈が⽣み出す作品は「美術」としての視点で語られにくいことがある。作品の内実ではなく、作家⾃⾝の特性でジャンル分けされる現象はなぜおこるのか。問題は表現者ではなく、表現されたものをどう扱うかという社会の意識にある。⼀⽅で、新⽊と寺尾は、これまで「現代アート」の舞台で活躍し、多くのアートファンを魅了し続けてきた。本展は、現代アートとして評価を受ける新⽊と寺尾の作品を通じて、表現に対する社会の対応に疑問を投げかけるものである。

新⽊のデフォルメするスキルや⾊彩のバランス、寺尾の幾何学的図形がひしめく図⾯たち。彼らの独⾃性はその表現の中にこそ存在する。変わらぬものに情熱を燃やし続ける⼆⼈の鉄⼈の世界観を堪能してほしい。


"TWO IRON MAN -鉄⼈の⼆⼈展-"

タイトル:
"TWO IRON MAN -鉄⼈の⼆⼈展-"

会期:
2022年10⽉8⽇(⼟)〜10⽉16⽇(⽇)12:00-19:00

会場:
WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO
東京都台東区今⼾1丁⽬2-10 3F

⼊場料:
観覧料 500円 (税込)〜
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を ⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2022 EXHIBITION に 寄付されます。





新⽊ 友⾏  プロフィール


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1982年⽣まれ。⿊の繊細なラインが、無⾻なファイターたちの隆々とした筋⾁の動きと体のもつれを的確にとらえる。近年その対象はファイターたちにとどまらず、陸上や⽔泳、⾞椅⼦バスケットボールなど様々なアスリートにまで広がり、デフォルメされたその動きは躍動感が溢れる。「東京2020オリンピック・パラリンピック公式アートポスター」のアーティストの⼀⼈に選ばれるなど国際的な評価を得ている。



寺尾 勝広  プロフィール


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1960年⽣まれ。⽗親が経営する鉄⼯所で溶接⼯として20年間働いた後、鉄をモチーフに制作を開始。本⼈が「図⾯」と呼ぶ緻密なドローイングには、鉄⾻の柱をあらわす直線と溶接の⽬印をあらわす記号がひしめく。ニューヨークで初発表後に⽇本の現代美術館でも注⽬を浴び、
以来、ロンドンのギャラリーやシンガポールのアートフェアなど、海外での展⽰を重ねている。




アトリエインカーブ


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アトリエインカーブは、社会福祉法⼈素王会のアートスタジオとして2002年に設⽴されました。18歳以上の、知的に障がいのある現代ア ーティストたちの創作活動の環境を整え、彼らが作家として独⽴することを⽀援しています。現在29名(2022年9⽉現在)が所属。 2005年、ニューヨークで開催されたアートフェアに出品以降、海外・ 国内の美術館やギャラリーで展覧会が企画・開催されています。 2010年にアトリエインカーブのアーティスト専⾨の「ギャラリーインカーブ |京都」を開廊しました。国内のみならず、ニューヨークやシンガポ ールなど海外の現代アートフェアに積極的に出展しています。また、出版事業部の「ビブリオインカーブ」では、障がい福祉の概念を広げるような書籍やアーティストの画集、DVDを企画発⾏。作品をもとにオリジナルグッズの制作・販売も⾏っています。
今年で法⼈設⽴20周年をむかえます。




WATOWA GALLERYとは

WATOWA GALLERYは、現代⽇本のストリートカルチャーやファッション、独創的・先進的なテクノロジーや「ジャパニーズ・フィロソフィー」を取り⼊れた新しい感性を持つ若⼿の作家を中⼼として、アート・コミュニケーションの場を提供するアートプロジェクト/プロデュース集団です。アートがファッションのように親しみやすいカルチャーとなり、ひとりひとりのライフスタイルに溶け込む社会を拓くため、新しい感覚のエキシビションや、アートプロジェクトのプロデュース・演出を⾏い、アートに触れるタッチポイントを拡⼤します。
現在も国内外で評価されている主要なアートムーブメントの多くは、ミュージアムの外で、そして多様なジャンルのアーティストと⽀援者との交流によって⽣まれています。わたしたちは特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーと捉え、アートをミュージアムからコミュニティへ、都市へ、住空間へ開放し、ミュージアムの外からさまざまな分野のプロフェッショナルと横断的なアートプロジェクトを発信していきます。さらに、⽇本の若⼿アーティストの活躍と⽇本の若⼿コレクターの参⼊をサポートし、アーティストと⽀援者の交流を促進します。
WATOWA GALLERYを媒介とした新しいコミュニケーションやコミュニティの育成によって、次の時代のアートシーンを創造し、市場の活性化を⽬指します。2019年より特定の場所を持たないプロデュース集団としての活動をしておりましたが、2022年9⽉より、初のWATOWA GALLERYの本拠地となる WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYOを浅草・今⼾にローンチ。